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傷の悩み 無料相談

創傷治癒よくある質問

  1. 0_FAQ 創傷治癒 よくあるご相談
Q4261 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

生まれた長男の耳の上半分が隠れていて、袋耳と言われました。手術が必要と言われたのですが、いつごろ受けたらよいのでしょうか。また、手術以外の方法はないでしょうか。

A4261 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
袋耳というのは日本人に特有の耳の奇形で、耳介の上半分が皮膚にうずまった形になっています。片側だけの場合もありますが、程度の差はあっても普通は両側に見られます。原因はわかっていませんが、とくに遺伝関係はないようです。また、その部分の軟骨(耳介のフレームをつくっているもの)も折り曲げられていて、耳介を無理に引っぱり出しても、またすぐうずまってしまいます。

袋耳では軟骨の変形といっしょに、皮膚が足りないので、程度のひどい場合にはやはり手術して耳を起こし、軟骨を矯正して、皮膚の移植が必要になります。程度が軽ければ特に移植をしないでも、その付近の皮膚の移動だけですむ場合もあります。いままでは2~3才から4~5才くらいでこうした手術をしてなおしてきました。

しかし最近の研究では、針金とゴムを組み合わせた装具によって、手術をしないでもある程度矯正できることがわかってきました。この装具で耳を引っぱり出すと同時に、軟骨を矯正した位置にバネを固定しておきます。生まれてからなるべく早い時期に始めたほうが軟骨もやわらかく、皮膚も伸びてくれるで成功率が高いようです。ききめのある場合には、数ヵ月から半年つづければそのあとは、はずしっぱなしにしても、もとに戻りません。半年つづけても効果があがらないものは、手術でなおします。

手術は、普通の場合は1回ですみます。これも小耳症と同じように外観だけの問題なので、髪で隠して本人も気にしないということならば、ほうっておいてもかまわないようです。ただ、おとなになってめがねがかけられないで困るということで、手術をする場合もあります。

そのほかに耳の奇形として「耳垂裂」というのがあります。これは耳たぶが、生まれつき2つに割れています。実は割れているだけでなくて組織も足りません。割れ目を合わせると同時に多少細工をして形をととのえます。手術の時期は特にきめはありませんが、機能に影響がないので、あわてる必要はありません。
Q4262 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

赤ちゃんの耳が片方ありません。耳の穴も奥まであいていないようです。5~6才にならないと手術はできないと言われたのですが、手術の方法と、それまでどうしたらよいかを教えてください。

A4262 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
これは「小耳症」と私どもが呼んでいる病気で生まれつきのものです。原因はまだわかっていませんが、遺伝関係はないようです。珍しいとされていますが、どういうわけか日本人には外国人とくらべてはるかに多く見られます。

正常の半分くらいの大きさのものから、小さないぼくらいしかないのまでいろいろな程度があります。全くないというのはまれで、たいていは多少皮膚のこぶみたいなものがついています。耳の穴は奥まであいているものはまれで、へこみがある程度か、全く穴があいていないのが普通です。

たとえ耳の穴があいていても、その奥のいわゆる中耳、内耳と呼んでいる部分の発育が悪いために、無理して外耳道をあけても聞こえはあまりよくなりません。また、穴をあける手術のあとは、うみや耳だれがつづいたり、顔面神経の損傷などのおそれがあります。反対側の耳が正常ならば、聴力に関しては日常生活に全く支障がありません。片側だけの場合には、外耳に無理に穴をあけて聴力を改善しようとする手術は、行なわないほうがよいということになっています。

したがって、手術はもっぱら耳介の再建が主になります。方法に2種類あって、骨組みに本人の肋軟骨を使う方法と、合成樹脂のシリコンフレームを使う方法とがあります。第1回の手術でこの骨組みを埋め込み、同時に外にある耳たぶ状のものを適当な位置に移動します。第2回目の手術で耳介を起こし、裏側に皮膚の移植をして裏打ちをします。実際にはその他に細かい修整手術を必要とすることがあります。

いずれにしても、本人の組織を最大限に利用しますので、ある程度成長してからでないと十分に大きな耳がつくれません。小さいとき無理して中途はんぱな耳をつくっても、つくられた耳は成長せず、あとから植え足してゆくということも困難です。昔は5~6才までは絶対待てといっていましたが、最近ではさらに待ち期間が延びて、むしろ7~8才、あるいは8~9才まで待ったほうがよい耳ができるといわれています。もちろん、おとなになってからでも手術は可能です。

これは、形成外科のうちでも最も高級技術の1つで、非常にうまくゆけばちょっと目にはわからなくなりますが、正常の耳と全く同じというわけにはゆきません。耳というのは2枚の薄い皮が軟骨をはさんでいますが、その全部の厚さが首や背中の皮1枚よりも薄く、それがあれだけ複雑な形をとっているので、移植してつくるということにはやはり最高の技術が必要です。

また、本人の軟骨の一部を取り出し、軟骨細胞を培養し耳介の形を再生する研究が進められていますが、再生した軟骨の強度が弱いことや、移植後吸収されることなどから、まだ実用段階ではありません。

最近のように長髪で耳が隠れて、本人が気にしないという場合には、無理してつくる必要はないでしょう。

外耳道の再建の必要はないといいますが、両側の小耳症の場合は違います。たとえば、中耳、内耳の機能が低下していても、それを最大限に活用するために穴をあけ、鼓室形成術を行ないます。これは耳鼻科の先生の専門の領域です。また片側だけであっても、中耳が中にとり残された形で、中耳炎を繰り返す場合には、やはり炎症の治療の意味で穴あけが必要になります。

これまでの話は、生まれつき耳のない場合でしたが、同じような手術は外傷や、やけどなどで耳を失った場合にも行なわれます。その部分の傷のぐあいにもよりますが、どちらかというとよい皮膚が失われて瘢痕組織におおわれている場合が多いので、生まれつきのものにくらべて手術はむずかしく、結果もあまりよくありません。
Q4263 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:女性

生後2ヵ月、長女のほおに、急にまっかなあざが出てきました。しだいに大きくなっていくようですが、どうしたらよいでしょうか。

A4263 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
生まれたときには何もなかったのに、数ヵ月で針の頭くらいの小さな斑点があらわれ、それが数ヵ月でまた見る見る広がってゆく場合があります。赤くツブツブに盛り上がってきて、ちょうどいちごのようなので、いちご状血管腫(ストロベリー・マーク)と呼ばれます。

急に目立って大きくなるので心配させられますが、ほうっておくと半年か1年、長くても数年でしぼんで白くなり、ほとんどわからなくなってしまいます。昔はよく、薬を注入したり放射線をかけたりしました。最近では薬や放射線の副作用のほうがこわいのと、ほうっておいてもひとりでになおるということがわかってきましたので、何も手をつけないことにしています。

普通は、大きくなっても1~2センチのものですが、たとえば腕半分とか顔1/3とか、そうとう広範囲にわたる場合もあります。このようなときは、血管腫がしぼんでも多少あとが残りますが、自然におちつくのを待ったうえで、必要ならば修正手術を行なうようにします。そのほうが手術がより安全に行なえますし、また狭い範囲ですまされるので、傷あとも少なくてすみます。
Q4264 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

先天性耳前瘻孔というのだそうですが、次男の耳のところに小さな穴があって、しばしば化膿します。手術でなおるものでしょうか。また、その時期はいつごろがよいのでしょうか。

A4264 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
顔に何ヵ所か、生まれつきの瘻孔を生ずる場所がありますが、いちばん多いのはこの場所です。普通、耳たぶの上のつけ根の上の部分に多く見られます。見かけは小さな穴ですが、奥が深くて袋になっていたり、耳の軟骨に通じていたり、また外耳道の奥深く通じていることさえあります。しばしば両側に見られます。治療方法はただ1つ、手術をしてとり除くことです。手術の前に十分にゾンデなどで奥行きを調べておきます。そして手術の際は色素を中に入れて、その広がりを十分に確認しながら完全にとり除くようにします。1度取り残しをつくると、2度目の手術は非常にむずかしくなります。子どもの場合には全身麻酔が必要になります。おとなの場合は、浅ければ外来手術も可能ですが、奥深いことが予想されるときは、やはり入院して十分な準備をして手術を行ないます。

手術の時期は特にきめはありません。ただあまり小さいと麻酔もめんどうですし、やはり2~3才以降が無難でしょう。そのままほうっておいて特に危険のあるものではありませんが、ときどきくさい汁が出てきたり、また場合によっては化膿したりしますから、適当なときに取っておいたほうがよいと思います。いったん化膿すると、手術は非常にやりにくくなります。ご質問のように、化膿を繰り返している場合には、手術が必要になります。ただ、化膿したことのないものとくらべて手術がやりにくいことと、現在化膿しているときに手術を行なうと感染が広がりますから化膿していない時期を見はからって手術を受けなければなりません。
Q4265 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:10代後半 性別:女性

生まれつき目からほおにかけて、かなり大きいブドウ酒のような色の赤いあざが広がっています。手で押えると、その部分は消えますし、隆起もしていないのですが、なんとかなおす方法はないでしょうか。

A4265 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
顔に限らず、手足や首でも同じように薄桃色のあざをみることがあります。割合広範囲に、地図状に広がっています。これは、こまかい毛細血管が余分にあるだけなので、単純性血管腫と呼んでいます。またご質問のように、ちょうどブドウ酒に色が似ているので、ポートワイン・ステインとも呼びます。

生まれたときからあって、しかも成長してもほとんど変化しません。そして、ほとんどが毛細血管なので指で押せば白く消えますし、全く平らなので、薄く化粧すればわからなくなります。ところが、これがいちばん私どもは治療にてこずるのです。つまり、元来が薄くて目立たないために、どんな治療法をためしてみても、かえって治療のあとのほうが目立つようになることもあるからです。

赤色が濃い場合や広範囲の場合は赤色によく反応するレーザー(DyeレーザーやVビームレーザーなど)の適応です。治療時期はいつでも構いませんが、小児の単純性血管腫は成人に比べ浅い所に存在するうえ、血管が幼若でレーザーに反応しやすい為、生後数カ月から治療を開始することも少なくありません。

それでなければ、カバーマーク(あざや傷あとを隠すためにつくられているクリームで、一種のドーラン化粧のようなもの)などでうまく隠したほうが無難だと思います。化粧品にかぶれる場合とか、お化粧で隠せても、その下にあざがあるということが、どうしても気になるという場合には、切除縫合や植皮などの手術を組み合わせて行ないます。ただこの場合は、お化粧しても継ぎ目は隠しにくくなる、ということを覚悟しなければなりません。

また、単純性血管腫だけだと思っていると20代、30代になって、一部分が盛り上がってくる場合があります。これは単純性血管腫のほかに、海綿状血管腫の芽があって、からだの成長とともにはっきりしてきたのだというように考えています。ある程度でその増殖は止まりますが、このような場合には、レーザーや手術でとり除きます。また、表面が単純性血管腫であって、その下に海綿状血管腫があったり、また単純性血管腫が別の全身性の病気の一部にすぎない場合もあります。このような問題は、やはり専門家の判断をあおぐことになります。
Q4266 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

4才になる長女。みつくちの手術を受けてくちびるはよくなったのですが、それに何本か足りないようです。歯の治療を受けてよいでしょうか。

A4266 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
みつくちに伴って、しばしば歯ぐきが割れていることがあります。またこれがひどくなれば、奥まで割れたいわゆる口蓋裂というわけです。このような場合は、当然割れた部分に歯がはえてきません。また、たとえはえてきても不ぞろいになります。歯に関してはあわてて手をつけないで、永久歯にはえかわってから矯正を行なうなり、足りない場合はブリッジを入れるように、歯医者さんのほうではすすめています。もちろん普通のむし歯の治療は、それと関係なく行なってください。最近では子どものむし歯も治療が行き届いて、ほうっておかれることはあまりありませんが、できるだけ歯の状態をよくしておかないと、将来の矯正がますますやりにくくなります。

口蓋裂の場合には、もう一つ別の問題があります。まん中で骨が割れているために、上あごがまん中に押しつぶされたような形になることが多いのです。普通は、口蓋裂の手術としては口の中の粘膜をとじるだけですが、この変形を防ぐために、一時骨を移植したりしたこともあります。しかし最近の考え方としては、適当な時期に顎矯正といって特別な装具で上あごを両側へ押し広げるようにして、欠損部へブリッジを入れてささえをつくればあごの形も正常になり、またよいかみ合わせが得られるようになります。

子どものときの手術が不適当だったり、また矯正が十分に行なわれなかった場合には、おとなになって上あごの変形がひどく目立ってくることがあります。正常人では上の歯が下の歯より前にかぶさっていますが、逆に下の歯が上の歯より前に出ているのを反対咬合と呼んでいます。これは下あごの発達し過ぎた「下顎前突症」に見られますが、口蓋裂の場合には、反対に上あごの発育が悪くて上の歯がうしろに退いた形になってしまうのです。いままでこれを義歯だけでごまかしていました。

最近では、骨切術といって、上あごの骨を切り離して十分に広げ、前方へ移動して、間隙に骨を移植してささえるという手術も開発されました。これはあごの変形を土台からなおすためで、顔豹もドラマチックに改善されますが、なかなか大手術です。
Q4267 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:10代後半 性別:女性

生まれつき右腕に大きな赤あざがあります。ずっと以前、アイソトープ治療をしたのですが、効果はありませんでした。何かよい方法はないでしょうか。

A4267 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
生まれつきの大きな赤あざというと、おそらく単純性血管腫だったのではないかと思います。アイソトープというのは放射線療法の1つですが、血管腫に対しては放射線療法はほとんで効果がないということがわかってきました。また治療に必要な量を皮膚にかけますと、どうしても皮膚障害を起こします。ごく初期は軽いやけどのように赤くなったり、またあとが黒ずんだりして色が残ります。これがいったん消えても、数年から十数年すると皮膚がカサカサに白くなってくる場合があります。こういう変化を、放射線皮膚炎と呼んでいます。このように放射線皮膚炎になった皮膚から、数十年すると、まれにガンが発生することがあります。

冷凍療法、電気凝固法、放射線療法などの治療は副作用が伴うことが多く、現在ではほとんど行われません。Dyeレーザー(色素レーザー)が有効で、数回の治療で色が薄くなりはじめます。Vビームレーザーも効果的です。

四肢や手掌、足底よりも顔面、躯幹の単純性血管腫の方がレーザー治療できれいになるようです。
Q4268 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

5才の長男です。口蓋裂の手術は成功したのですが、幼稚園の先生から言葉が聞きとりにくいので、言語治療をしたらどうかとすすめられました。

A4268 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
口蓋裂は、1才半で手術をすれば、2才でしゃべり始めるのにまにあいます。ほとんどの場合は自然に、普通にしゃべれるようになります。しかし、手術時期が遅れたり、また元来口の中の筋肉の働きが弱かったりすると、うまくとじたように見えても、しゃべるのに支障が出ることがあります。

いちばん多いのは「開鼻声」といって、鼻に息が抜けて「か行」の発音が不明瞭になるものです。「かきくけこ」が「あいうえお」に近い音になってしまいます。そのほか前歯が欠けていたり、また口の中に傷あとがあったりすると、それぞれに発音障害が起こります。しかしいちばん多いのは、のどの奥がうまくとじない、いまいった開鼻声の問題です。

この問題を専門に分析治療してくれるのが、言語療法士です。原因に応じて、言語治療を行なう場合と、再手術をすすめられる場合とがあります。再手術というのは、まだ口の中が完全にとじていなかったり、筋肉の働きが悪い場合に、手術によってこれを再建する方法です。手術する程ではない場合に構音を手助けするスピーチエイドという器具を上顎につけることもあります。

言語療法というのは、一応できるだけの手術はやったという前提で始められます。まず患者さんのまだ待っている筋肉を、最大限に活用するような練習を行ないます。またこの口蓋裂の患者さんは、みな自分の発声になれてしまっていて、ほかの人のと違うということがわかりません。そういうことで、テープレコーダーなどを使った耳の訓練も必要になります。

言語治療を受けないで、異常な発音のまま大きくなってしまいますと、知らず知らずのうちに正常でない発声の仕方をするようになってしまいます。これを異常構音と呼んでいますが、こういう悪いくせがついている場合には、まずこれをとり除くことから始めなければなりません。

最近ではいろいろな診断技術や、新しい治療方法なども開発されてきました。しかし、言語治療を必要とするお子さんの数にくらべて、言語治療士があまりにも少ないので、だれでもが必ずしも十分な治療が受けられないのが問題です。また、かなり本人の根気と努力がたいせつです。5才くらいならば、いまから治療を始めれば、よくなる見込みは十分にあると思います。
Q4269 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:20代前半 性別:男性

生まれたときから、下くちびるのところに厚ぼったい青あざがあります。高校時代にラジウム治療と手術をしましたが、その後かえってくちびるがふくらんだりして、結局なおらないのですが。

A4269 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
青あざといわれましたが、青黒く見えるということで、むしろ血管腫である赤あざの部類に入ると思います。分類からいうと、海綿状血管腫と呼ぶものでしょう。これは単純性血管腫と違って、毛細管よりももっと太い静脈が海綿のように増殖してしまったものです。どういうわけか、割合にくちびるのあたりに多く見られます。また、ほうっておいてもなかなかひとりでにはなおってくれませんので、どうしても治療が必要になります。

最も効果的なのは手術療法です。血管腫の部分をくさび型に切りとって寄せてしまうのですが、そうとう切りとっても、元来厚ぼったくなっていますので、形はむしろよくなります。血管腫が大きくて、切りとるとつれがきたり、寄りそうもないときは、くふうして皮弁の粘膜弁という手術を行ないます。

高校時代にラジウム治療を受けたということですが、おそらく効果はなかったでしょう。また手術を受けたということですが、いま述べたくさび型に取る手術であったと思います。その場合、範囲が広いと完全には取りきれないで、両側に血管腫の部分を残してあることがあります。こうして残された部分は、手術のあとでひとりでにしぼむ場合もありますが、逆に思春期以降に増殖してくる場合もあります。そのようなときは手術を反復して、形をととのえてゆきます。
Q4270 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:20代前半 性別:女性

口の左ななめ下に、大きなほくろがあります。以前から取りたいと思っていたのですが、傷あとは残るのでしょうか。また、ほくろはガンになるとも聞きましたが、どうなのでしょうか。

A4270 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
昔、何かの本で読んだのですが、ひまな学者が丹念に調べたところ、人のからだには平均43個のほくろがあるという報告をしておりました。実際にはもっとあるような気もしますが、いずれにしてもよく見れば、ほくろはからだじゅうにあるのです。これをいちいち取っていたら傷だらけになりますが、私どもは次のような場合に、ほくろを取ることをすすめています。

1 顔のように目立つところにあり、本人が特に気にして取りたいという場合。
2 悪性のものが疑われる場合、ないしはそれを予防したい場合。

これは医師が判断をくださないといけませんが、およそ次のような場合が考えられます。
① ほくろが急に変化した場合。たとえば急に大きくなったり色が濃くなったり、また回りに飛び火したように黒い点々ができたりした場合です。また、普通のほくろですと出血することはあまりありませんが、こすらなくても出血したり、かさぶたをつくったりした場合も注意したほうがよいようです。

(1) 刺激を受けやすい場所にあるほくろは、予防的にとり除いたほうがよいといわれております。たとえば、手のひらや足の裏のように絶えずこすれるところや、重みのかかるところ、同じような意味でベルトのあたる部分、ブラジャーのストラップのあたる部分のほくろなどがこれにあてはまります。

(2) 同じほくろでも丸く盛り上がっている、いわゆるあんこをつけたようなほくろは、むしろガンになることがまれで、かえって平らな茶褐色のもののほうがガンになりうるとされています。

いずれにしても、ただのほくろが悪性化したかどうかは、医師でも判断のつかない場合が多いのです。疑わしければ、手術をして取ったものを、病理学者に調べてもらわなければなりません。

ガンが疑われている場合には、傷あとは二の次になりますが、1のように目的が美容であるときには、傷あとが目立っては台なしです。しかし、幸いなことに形成外科的に、しわの方向に切開線を選んで、ていねいに縫合を行なえば、傷はほとんど目立たなくなります。もちろん、よく見れば多少細い白い筋はあるにしても、もとのほくろよりはずっと目立たないといえるでしょう。

一つ注意しておきたいのは、ほくろの直径よりも傷の長さのほうが2倍3倍長くなるということです。丸いものをそのまま切りとって寄せてしまいますと、両端がどうしても盛り上がってしまいます。この盛り上がりを防ぐために、回りの皮膚も含めて、紡鍾形に切りとますから、傷がほくろよりもずっと長くなってしまうのです。しかし、このような長い平らな傷のほうが、短いでこぼこの傷よりもずっと目立たないわけです。どの傷にもあてはまることですが、手術して数週間か数ヵ月の間は多少赤い筋は残りますが、半年から一年で消えてゆきます。

ごく小さいほくろですと、電気メスで焼きとることもできます。ただ2~3ミリ以上の場合にはあとは水疱瘡のようなへこみが残ってしまいますから、最初から手術で切りとったほうが無難でしょう。

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