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創傷治癒よくある質問

  1. 火傷
  1. 腕・手・指
Q51 相談者 ニックネーム:なずな 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:女性

今2歳の娘が生後11ヵ月の時に、石油ストーブで両手に火傷を負いました。
土曜の午後だった為、救急病院にかかり、その後紹介を受けた大きな病院の皮膚科を受診。今は同じ病院の形成外科で診察を受けています。

左手は傷跡もなくとてもきれいに治りましたが、右手の中指から手のひらの中心あたりまで、縦に傷が残り、軽いひきつれも起こっています。
皮膚移植を奨められており、絶対必要とは言わないけれど、先生としてはした方が良いレベルとの事です。
まだ小さいので、皮膚がきちんとくっつく様に、移植手術後は指に針金の様なものを、串刺しにして固定すると聞きました。

娘はとても症状は軽いのですが、心臓に疾患があり、こちらも一年に一回検診を受けていて、将来ピアスを開けてはダメで、手術、抜歯などの時は通常よりたくさんの抗生物質の投与が必要などの説明を受けていて、できるなら皮膚移植を受けずにいたいのですが、先生は無理強いはしないと言いながら、診察の度に、もう1度家族とご相談をと言われます。

今は簡単なギブスの様なものを作って貰い、夜寝ている間だけひきつれが悪化しないように装着しています。

やはり皮膚移植は必要でしょうか?
もう少し大きくなれば、指の固定に針金を串刺しにするという方法は避ける事ができるのでしょうか?
今のまま悪化に気をつけ、本人の希望を聞けるようになってからの手術では、何かしら問題がおこるでしょうか?

大人なら関節が錆び付いて動かなくなるとも言われました。
娘の場合にも、数年待っていたら関節が動かなくなるなどの可能性があるのでしょうか?

A51 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
拘縮の程度にもよりますが、拘縮解除の手術をした方がよいかもしれません。

右利きならば積極的に手指を使って遊ばせれば自然にリハビリになりますが、拘縮が強い場合は手指の成長速度によっては関節の異状や骨発達の異状が起きる可能性もあります。

ただし、手のひらに植皮をすると植皮した皮膚が色素沈着を起こすことが多く、可能ならば皮弁手術で済ませるか、出来るだけ小さい植皮手術で済ませたいところです。

植皮面積が小さければ、足関節部など色素沈着が起きにくい部位からの植皮を計画します。
心房あるいは心室の中隔欠損があるのでしょうが、手術前から抗生剤を投与することで感染を防ぐことは可能ですし、中隔欠損の穴が小さ過ぎなければ手術すること自体に問題はないでしょう。

ただし術後2週間程度ピン固定をするならば、その間の感染制御も必要ですし、大人になるまで待っても無意識に指を動かすことがあるので、年齢に関係なく術後手指を開いたままにする固定が必要です。

主治医に、「無理強いはしない」というのは『必要ないだろうが』ということなのか『必要だがどうしても嫌だというなら』ということなのかをしっかりと確かめてください。

また「もう一度家族とご相談を」というのは、『お母さんだけの感情で手術しないと決めるのはいけません、状況を客観的に評価して手術するかどうか決めてください』という意味でしょうから、主治医と治療方針の検討をするときに、ご主人や見識のある知人など冷静に話を聴いて、思い入れを別にして判断できる人物に同席してもらうのがよいでしょう。

手術をすべきかどうか、いつ手術をすべきかは、症例によって判断が異なるものですから、お子さんの将来のため、主治医にゆっくりと時間をかけて説明して貰い、ご家族の皆さんも十分に手術の内容とメリット・デメリットを理解して、じっくりと検討したうえで主治医とともに治療方針を決定してください。
Q52 相談者 ニックネーム:ぷくぷく 患者様(相談対象者) 年齢:20代前半 性別:男性

熱傷による瘢痕拘縮のガン化について教えてください。
現在20歳の息子のことで相談させていただきます。息子が3歳の時に石油ストーブに掌をついて火傷をしました。掌の3分の1ぐらいを火傷しました。すぐによく冷やして火傷治療で評判の診療所を受診した結果、酷い水ぶくれになっていたものの、2週間ほどで包帯も外せました。その後は傷痕が崩れたりしたことはありません。おそらく深達性2度かと思います。拘縮瘢痕が残ったということは、一部は3度だったのでしょうか。
今、傷痕を見ると、掌に、幅5ミリ×長さ3センチほどの範囲で、周りよりも白っぽく少し盛り上がり、硬くなっている筋が縦に1本あります。
熱傷瘢痕が将来皮膚ガンになりやすいと知り、心配で調べてみましたが、治癒までに時間がかかり、潰瘍を繰り返すものなどが危険性が高いとあり、また熱傷瘢痕からガンを発症する確率は高くないとのことで、それほど心配する必要はないのかと思う一方、熱傷瘢痕後の皮膚ガンは通常の有棘細胞ガンより予後が悪いらしく、心配です。
こちらのホームページでも、常に外的刺激を受ける部位や、瘢痕拘縮のある部位は注意が必要と書いてあります。
そこでご質問ですが、
1.息子の場合の傷痕も瘢痕拘縮であり、ガン発生の母地となり得ますか。
2.掌の中心付近の部位は、外的刺激を受けやすいように思いますが、危険な部位になりますか。
3.熱傷瘢痕ガンはガンと診断された時点ですでに内臓に転移している場合も少なくないとのことですが、初めて傷や突起などの変化があった時すぐに受診すれば、完治しますか。それとも表面から見えない内部でガンが進行、転移していることもあり得るのでしょうか。
4.今から予防的に瘢痕を切除するのは過剰反応でしょうか。予防切除は手の機能への影響もあるのでしょうか。

A52 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
ご心配が募っているようですので、なるべく簡潔にお答えします。
瘢痕拘縮と発癌母地は直接の関係はありませんし、瘢痕癌発症の可能性は極めて低いです。
拘縮を解除する手術は、Z形成術や皮弁術あるいは植皮術が必要です。
瘢痕を切除して植皮で置き換えても「手の機能」への影響はありません。
治療をするか、治療をするとすればどんな治療法があるか、治療はどれくらいの期間を要するか、形成外科を受診してご相談になってみてはいかがでしょう。
Q53 相談者 ニックネーム:まるちゃん 患者様(相談対象者) 年齢:10代前半 性別:男性

小学5年生の息子の事なんですが、8ヵ月の時に右の手のひらを火傷して2才の時に指の内側を植皮手術をしました。
皮は柔らかいのですが植皮したまわりがひきつっていてしっかりとパーが出来てるような出来てないような感じです。手の大きさも右ききですが左に比べると小さいです。指と指の付け根も水かきのようになっています。
再手術を受ける事は可能ですか? 受けるとしたらどんな手術になりますか?

A53 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
瘢痕切除術と指間形成術が必要です。
収縮しても引き攣れにならないように、縫合線の方向も検討しなくてはいけません。
また、出来るだけ植皮が必要ない様に皮弁を使って指間を形成するのが一般的ですが、皮膚の足りない分は植皮が必要です。
掌への植皮は健常部との違いが目立つので、小さい面積で済むならば、足のくるぶしの傍から採皮をするなどして植皮の色素着を防ぎます。
植皮が生着するまで手術後2週間程度、手指の安静が必要なので、手指が動かないように特殊なギブスを装着することもあります。
手指の運動障害を起こさないために、早急に形成外科あるいは手の外科を受診してください。
Q54 相談者 ニックネーム:よんちゃん 患者様(相談対象者) 年齢:40代後半 性別:女性

40年前左腕に熱湯でやけどを負いました。
ひじからしたは幸い治りましたが、ひじの上に2か所ケロイドで残ってしまいました。20歳の時上部分をエキスパンダー手術をうけましたが、手術傷が残ってます。
廻りからどうしたのと聞かれるのがいやでなんとかこの後を消したいとずっと悩んでます。
夏になるのが嫌です。
お金はかかってもいいので、良い方法と良い病院があれば教えてください。
人工絆創膏というのを佐賀大で開発してるみたいですが、教えてください。

A54 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
現在の瘢痕の状況が判らないので、具体的なアドバイスが出来ません。

線状瘢痕なら、再度エキスパンダーを挿入して瘢痕形成術をした方がよいでしょう。
ある程度面積が広い瘢痕は、瘢痕を削ったり切除したりして、上皮化を促すための処置を施しますが、その際に上皮化が困難なら自家植皮や培養表皮移植をします。

ご質問の佐賀大学の絆創膏型の人工皮膚は、それを使用することで表皮欠損創を最良に近い状態に保ち、自己細胞の増殖を促したり植皮が出来るようにしたりするための、フィルム様の創傷被覆材です。

つまり、植皮を必要とするような創にも簡便に使用できることを最大のメリットとした医療器材で、豚コラーゲンを材料としたものなので、その人工皮膚自体が生着するものではなさそうです。
Q55 相談者 ニックネーム:A 患者様(相談対象者) 年齢:20代前半 性別:女性

自傷行為として手のひらにタバコをおしつけました。水につけるなど、直後の対処は何もしていません。
その後水膨れになったので水膨れをやぶり、市販のハイドロコロイド絆創膏を浸出液が出なくなるまで約10日程使い続けました。浸出液が出なくなってからは、ゲンタシンを塗ってガーゼで保護等していました。
現在約2週間がたったのですが、平常時の痛みはほぼ無し、雑巾絞りなど力を込めて握るなどすると痛みがあります。また、手を開くとひきつれがおこります。
傷の状態なのですが、中心が完全に穴になって窪んでしまい(1~2mm程)その周りの皮膚が盛り上がり固くなっています。穴の中の皮膚は柔らかく、黄緑~黄色がかった色です。周りの固くなった皮膚は赤かったり、赤くなかったり。
まだ1度も病院にはかかっていないのですが、窪みが気になる、ひきつれが仕事に支障をきたす為病院に行こうかと迷っている所です。
自分としてはひきつれ、痛みを軽減させたい、窪みを無くしたい、周りの固くなっている皮膚を無くしたいと思っています。
現在の傷で形成外科にかかる場合、手術になる可能性はありますか?
また、保険は適応されるのでしょうか?

病院にかかるレベルなのか、また皮膚科での診察、処置でも良いのかよく分からないので文字だけの相談なので判断が難しいとは思いますが、なにか助言が頂けたら助かります。

A55 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「ハイドロコロイド絆創膏」は「浸出液が出なくなるまで」ではなく、上皮化が完了するまでお使いになるべきです。

また感染を合併しなければ、「ゲンタシン」などの抗生剤軟膏は必要ありません。
肉芽の形成が十分でないため「中心が完全に穴になって窪んで」いて、周囲の角質層の過剰形成により「その周りの皮膚が盛り上がり固くなって」います。
受傷後6カ月程度引き攣れは解消されないでしょうが、徐々に軽快する可能性はあります。

治療をするかしないか、どんな治療法があってどの治療を選択するか、いつその治療をするかを病院にお掛かりになる前に決定しておく必要はありません。
同じ内容を繰り返しますが、病院にお掛かりになった際に、治療をすべきかどうか、治療をするとすればどんな治療法があるのか、いつすべきか、治療をしなければどうなるのかなど担当医に具体的にお尋ねになって、そのうえで、ご自身でどこでいつどんな治療をするかをご検討になればよいのですから、お悩みになっているより直ちに形成外科にお掛かりください。
Q56 相談者 ニックネーム:ゆうき 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:男性

電気ケトルの沸騰したお湯が左腕にかかり、火傷2.75度の火傷をさせてしまいました。11ヶ月の男の子になります。
皮膚科に通い、湿潤療法で治療しています。
全体的に赤くなっている部分と白くなっている部分があり、病院では赤くなっている部分は日焼けをさせないようにしないといけない。色素沈着になるかと言われました。
白くなってしまっている部分は、痕が残りシワになる感じの皮膚になると言われました。
ちょうどBCG の所を火傷させてしまいました。
BCG 部分は水疱が出来ていて、少し赤くなっていたくらいです。
あと、火傷の白くなっている部分の痕が残るとの事なのですが、完全に綺麗な皮膚にならないのは十分、承知の上なのですが、出来るだけ元の皮膚のように綺麗にしてあげたいんです。
火傷の痕を綺麗にする方法はありますでしょうか?
白くなっている部分を出来るだけ痕を残さないようにする方法はありますでしょうか?

A56 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
申し訳ありませんが、記載内容だけでは既に上皮化しているのかどうかが判らないので、ご質問にお答えできません。
先ず、「2.75度の火傷」という表現は、熱傷の深度(重症度)を表す数字ではありませんので、全体像の把握が出来ないのです。
また、「湿潤療法で治療」なさっているということは上皮化していないということでしょうが、「赤くなっている部分は日焼けをさせないようにしないといけない。
色素沈着になるかもと言われ」、「白くなってしまっている部分は、痕が残りシワになる感じの皮膚になると言われ」たならば上皮化は完了していてその後の自己ケアと経過のことを言っているということになります。
もし上皮化していない状態ならば、「赤くなっている部分」はⅡ度SDB(浅達性Ⅱ度熱傷)で2週ほどで上皮化するでしょうが、「白くなってしまっている部分」はⅡ度DDB(深達性Ⅱ度熱傷)ということになり、感染を起こさずに治療することが優先で、上皮化後の瘢痕の質感の話は取り敢えず後回しになります。

左上腕の「水疱が出来ていて、少し赤くなっていたくらい」の「ちょうどBCG の所」を気になさっているようですので、以下は、Ⅰ度~Ⅱ度SDBの熱傷と判断して回答いたします。

Ⅱ度SDBでも上皮化が完了していれば「湿潤療法」は必要ないので、上皮化していない部分だけ湿潤療法専用の創傷被覆材をお使いいただければよいでしょう。
受傷直後から「赤くなって」いたとすればⅠ度熱傷で、わかりやすく言えばひどい日焼けと同じ状況です。
水疱が出来ている部分はⅡ度SDB(浅達性Ⅱ度熱傷)なので、瘢痕が残る可能性があります。

上腕は比較的、瘢痕を生じやすい部位なので、なるべく肥厚性瘢痕の可能性を小さくするためにすみやかに上皮化させた方がよいでしょうし、上皮化後も積極的に肥厚性瘢痕の予防ケアや治療をした方がよいかもしれません。

熱傷は、上皮化すれば治療が終わるのではなく、上皮化した時点から色素沈着や色素脱失や瘢痕を目立たなくするための治療が始まっているとお考えください。

つまり、上皮化が完了したときから整容外科との付き合いが始まるのですから、今お掛かりの皮膚科の先生にお願いして形成外科を紹介して貰い、定期的に経過を診てもらうとよいでしょう。
Q57 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:40代後半 性別:女性

スチーマーに左手を当ててしまい火傷しました。手の甲に親指の爪くらいの火傷ができ、一部水膨れになり、まわりが黒くなりましたが、破れてきて、黒い皮膚もとれて、火傷から12日にはピンクの新しい皮膚になりました。今日に当たらないようにしています。
赤みのある皮膚は、どのくらいで周りと同じ色になるのか、今、日焼け対策で医療系の紫外線を98パーセントカットできるテープを貼っています。それいがいに、今やることはありますか?

A57 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「手の甲」の「親指の爪くらい」の熱傷で、「一部水膨れになり」「12日にはピンクの新しい皮膚に」なった状態ならば、肥厚性瘢痕になったり拘縮が起きたりすることもないでしょうから、紫外線予防と保湿に努めていただければ十分です。紫外線予防は少なくとも3か月程は続けてください。
明らかな「赤み」の改善には6カ月必要でしょう。
Q58 相談者 ニックネーム:ココ 患者様(相談対象者) 年齢:20代前半 性別:女性

20年ほど前(4歳くらいのとき)お湯が腕にかかって、やけどをしてしまいました。
右の二の腕の辺りで大きな跡が残ってしまっています。今、赤みや痛みはなく、肌とほとんど同じ色ですが盛り上がっている状態です。このやけどで着たい服が着れなかったり人目を気にしたりということがあり、完全に他の皮膚のように戻るのは難しいと思うので、できるだけ目立たなくなる方法はないのかと思いご相談させていただきました。
痛みが少なくできるだけ安価な方法で治療法がもしありましたら、教えてください。

A58 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
ご相談の肥厚性瘢痕の治療は、瘢痕切除縫縮術と全層植皮術の適応がありそうです。
瘢痕の大きさによっては、Tissue Expanderを使えば、植皮をせずに縫縮も可能かもしれません。
診察をしなければ具体的な治療法の提案が出来ません。
治療をするかどうかは後にじっくりとお考えになればよいので、まずは形成外科を受診してご相談なさってみてはいかがでしょう。
Q59 相談者 ニックネーム:さき 患者様(相談対象者) 年齢:10代後半 性別:女性

16年程前に右腕の肘から手先までの広範囲に火傷をしまして、頭の皮膚を移植する手術を受けました。
その後引きつりや違和感が残る事なくとても上手く馴染んでいるのですが、最近見た目が気になり始めてしまい、少しでも普通の腕に近付ける事が出来れば嬉しいと思い質問させて頂きました。
移植した跡が残っているところを普通の状態に近付ける手術はあるのでしょうか。
また、その手術に必要な期間、料金はどの程度でしょうか。
将来舞台に立つ仕事をしたいと思っているので、治すことが可能でしたらお願いしたいです。

A59 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
申し訳ありませんが、現在の状態を診察しなければ、具体的なアドバイスができません。
病院を受診しても必ず治療をしなくてはいけないわけではないので、形成外科を受診してみることが治療検討のスタートになります。

瘢痕の治療の目標は、患者さん自身が瘢痕を気にせず笑顔で社会生活を送れるくらいまで瘢痕を目立たなくすることですから、患者さんの要求によって、瘢痕の状態によって提案できる治療法が異なります。
担当する医師によって、勧める治療法が異なることも少なくないと思われます。

まずは複数の形成外科を受診して治療法を提示してもらい、その治療法を勧める理由、他の治療法を勧めない理由を説明してもらってはいかがでしょう。

治療をするかしないか、どんな治療法が自身に適しているかは、ご家族も交えて、ゆっくりと、じっくりと検討してください。
Q60 相談者 ニックネーム:まゆむ 患者様(相談対象者) 年齢:10代前半 性別:女性

娘は、生後10か月の時に左手のひらに加湿器の蒸気で火傷をし、1才になるのを待って、足のつけ根の皮膚を移植しました。幸い、それ以降ひきつれることもなく成長と共にうまく皮膚も伸びています。
しかし、移植した皮膚が茶色く目立つようになりました。

小学校に上がる際、それまでつけていた手袋も嫌がり、学校ではなるべく左手を握ったかたちで過ごしているようでした。
友達にも全く言わなかったようで、体育の授業でバトンパスの練習や、マット運動の後転、友達同士で手相の話題が多い時など、その都度周りに見られるのが嫌で、泣いて学校を休んだりしていました。
傷跡などを隠すファンデーション等の講座も受け、使ってみましたが、学校生活ではすぐに取れてしまい、使わなくなりました。

いろいろ調べてみたところ、シミなどを取るレーザーでは消えないことが分かり、色を薄くする方法は何かないかと悩んでおります。
ips細胞に期待をしてはいますが、思春期の今、なにかしてやれることはありませんでしょうか。

今のところ、日焼け止めクリームをしたり美白クリームをつけたりするぐらいしか、思い当たりません・・・。
「この傷をなかったことにしてほしい」と泣く娘を見るのがとても辛いです・・。

A60 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
蒸気による手掌の熱傷は深達度の深いものになることが多いため、植皮手術はいたしかたなかったものと考えます。
また手掌の全層植皮は色調が濃くなる傾向が強く、植皮部を色素沈着がおきない部位からの全層植皮へ置き換える手術が必要になることも少なくありません。
植皮の面積にもよりますが、足踝の下から採皮して全層植皮を置き換える手術が一つの解決策になります。

また、肌の新陳代謝を促すレーザー(ロングパルスNd:YAGレーザーなど)で沈着したメラニン色素の排出を促進することで、少しずつでも色素沈着の解消が望める可能性もあります。

美白剤も積極的にお使いになった方がよいでしょう。
また、数十年の時間経過のうちに色調は徐々に薄くなるのが一般的です。

残念ながら今のところ「傷をなかったことに」は出来ませんし、一朝一夕に色調の改善も出来ないので、皮膚科、形成外科、美容皮膚科、美容外科などを専門とする医師を受診し、信頼を置いて心から悩みを相談できる主治医をお探しください。

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