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創傷治癒よくある質問

  1. 生まれつきの変形・奇形
Q11 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

待望の長男が生まれましたが、みつくちと口蓋裂なのです。手術でなおると聞きましたが、時期はいつごろがよいのでしょうか。また、どこまでよくなるものでしょうか。

A11 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
最初のお子さんでみつくちと口蓋裂というと、ずいぶんショックを受けられたことと思います。みつくちだけの場合と違って、口蓋裂を伴っていますと、鼻から口の奥まで全部大きく開いてしまって、非常に目立つものです。しかし、適当な時期に適当な手術を行なえば、昔と違ってほとんど正常に近くなりますから、あまり心配しないでください。それぞれの時期に応じて、治療の方法を述べてみましょう。

まず当面は手術をあせらないで、毎日じゅうぶんに時間をかけて哺乳しながら、ある程度の成長を待ってください。さて哺乳ですが、口蓋裂があると吸いつきが悪くて、1回の哺乳に非常に時間がかかります。特別な哺乳びんもありますが、普通は乳首のところを十文字に切って出しやすくします。また、寝かせた状態で飲ませると、鼻のほうにミルクが回ってむせたりしますから、少し起こしぎみにして飲ませます。

そのほかのことは普通の赤ちゃんと全く変わりませんが、ただ多少かぜを引きやすいので注意してください。また中耳炎も起こしやすいのです。私どもは子どもの診察のときは、一応耳ものぞくことにはしていますが、熱を出したときにはのどだけでなく、耳のほうの診察もよく受けてください。

1.3ヵ月
この時期にくちびるをとじます。このころになれば体重も5キログラム以上になり、赤血球の濃度も増して、じゅうぶん全身麻酔に耐えられるようになります。また、顔もそうとうに発育して、手術操作しやすくなります。方法はいろいろありますが、ジグザグのデザインで縫い合わせ、傷のひきつれを防ぎます。糸を抜くのは4~5日で、だいたい1週間か10日で退院できます。
昔は、手術の前にマッサージをしてくちびるの発育を促しましたが、最近はその必要はないとされています。ほかの傷あとの修正と同じように、抜糸をしてから、できれば1ヵ月ぐらいスリーエム・テープをはっておきます。これは傷の保護と同時に、傷が早く目立たなくなるような効果があります。それでもやはり、一時は赤い筋になって、完全に目立たなくなるのに1~2年はかかるでしょう。
その後は、離乳食や予防注射などは普通の赤ちゃんと同じように行なってゆきます。もし両側が割れている場合には、まず片側を先に手術して、1~2ヵ月おいて反対側を手術するようにしています。状態によっては両側を同時に手術することもあります。

2.1年半
この時期に口の中をとじます。やはり10日ぐらいの入院で、全身麻酔をかけます。口の中の割れ目をふさぐのといっしょに、粘膜や筋肉をうしろのほうへ下げて、のどの奥のしまりをよくします。傷あとがおちつくのに半年はかかりますから、2才くらいでしゃべり始めるのにちょうどまにあいます。この2回の手術で一応中も外もふさがったわけですが、口の中は穴があきやすいので、再度の手術が必要になることもあります。また冬はかぜをひきやすく、粘膜のなおりが悪いので、手術を避ける場合もあります。

3.学齢期まで
第1回の手術できれいにくちびるがとじられたようでも、成長とともに多少の食い違いが目立ってきたり、傷あとが残っていたりすることがあります。小学校の集団生活に支障が起きそうな場合には、一応学齢期までに修正を行ないます。最近は技術も進歩してきたので、ほとんどこの必要もなくなってきました。
このころ、しゃべり始めて発音がおかしい場合には言語治療士の診察を受け、必要なら言語治療を行ないます。

4.思春期以降
現在の治療方針では、幼児期に鼻のゆがみには手をつけていないので、成長とともにますます目立ってきます。15~6才になると鼻の形もきまりますので、それから鼻の修正手術を行ないます。くちびるの傷の修正も、必要があれば同時に行ないます。初回手術のとき、同時に鼻も手をつけてよいという考え方もあり、最近ではそのような方法をとる人もふえてきました。それでもやはり15~6才になって、多少とも鼻の修正が必要になるようです。

このように、2~3回の手術を適正な時期に行なえば、程度にもよりますがほとんど見た目にもわからず、また普通にしゃべれるようになります。最も避けてほしいことは、回りで気にするからといって、手術を急がないことです。昔はよく生まれてすぐ手術をして、一応口をとじて家に連れて帰るということが普通でしたが、この時期の手術はどうしても無理があり、あとにひどい傷を残し、修正もむずかしくなります。
Q12 相談者 ニックネーム:tigermask 患者様(相談対象者) 年齢:30代後半 性別:男性

私は、口蓋裂をもつ30代の男です。これまで感じたことはなかったのですが、最近、縫い目のところ(鼻の穴近く)が、なんだか非常に痛みます。これは加齢によって、何か皮膚の収縮性がなくなってきたために起こってる現象なのでしょうか?
ちなみに3歳くらい?に手術してから、1度も修正手術はしていません。そのため、割と傷跡は目立つと思います。縫い目が押すと痛みを感じます

A12 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
頂いた情報だけでは判断が出来ないので、正しいアドバイスには診察が必要です。
「最近」というのが1~2週前からなら、皮下に小さな膿瘍が出来ている可能性があります。
抗生物質の内服で軽快する可能性もありますが、埋没糸が膿瘍の核になっているかもしれないので、皮膚科か形成外科を受診するとよいでしょう。
Q13 相談者 ニックネーム:さち 患者様(相談対象者) 年齢:10代後半 性別:男性

中三の子供の事で、ご相談したいのですが、口唇裂で生まれ鼻の下から唇にかけて、手術痕があります。
傷跡があまり目立たない方が多いのですが、ウチの子供は、ケロイドと言う程の盛り上がりはありませんが、傷跡の縫い目や、口唇付近の赤みなどがわりと目立ち、本人も気にしている様子です。
口唇口蓋裂センターにて、手術や再手術をしてきました。
幼児期に最終に手術してからは、八歳頃に 傷跡を擦り 傷跡の凹凸を減らす処置を外来でしましたが、それほど変化はありませんでした。
今回、定期検診を受け、高校生になってからの最終手術の話がでましたが、本人の気になる箇所を。。といわれましたが、主治医に傷跡を再手術で今よりも目立たなくなるようなら、。。。とお聞きしたところ、傷の赤みが、消えにくいタイプのようだから、再手術しても、また赤みが残るかもしれない、と言われました。
そこは、口腔外科のセンターなので、違う科での治療なら、傷跡が目立たなくなる可能性があるのでしょうか?
年頃の子供で、本人も気にしているので、何とかしてあげたいと思うのですが。

A13 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「再手術しても、また赤みが残るかもしれない」というのが担当医の言葉そのものであるなら、「赤みが残る」可能性があるというだけの意味なのか、ほぼ確実に「赤みが残る」と考えているのか、どちらかが判りません。
口唇口蓋裂センターの担当医に確認すると同時に、不安ならば他の医療機関(形成外科や口腔外科)を受診してセカンドオピニオンを求めると良いでしょう。

男性の唇裂の治療は口唇の機能と形態の修正と共に、いずれ口髭が生えた時に髭の生えない瘢痕をいかに目立たなくするかまでを考慮して治療することが必要です。

今回の治療に限らず、整容面での治療にあたり、患者さんと担当医との相互信頼が大切なのですから、充分に理解して納得して治療をお受けになるべきです。

ご本人にお会いしていないのであくまでも一般論になりますが、高校生(10歳代後半の男性)ならば、焦ることなくじっくりと説明すれば、ご自身のおかれる状況を受け入れ、医師の説明を充分に理解することができるはずです。

希望する治療は患者さんが望めばいつでも出来るということを前提として、患者さんご自身と担当医の話し合いに任せてみては如何でしょう。
「年頃の子供」だからこそ、治療するかどうかはご本人次第で、ご家族は患者さんご本人の決定を実現させるためのサポートをする準備を常にしている、という姿勢をみせておくだけにしておくのが良いのではないでしょうか。

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