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創傷治癒よくあるご質問(FAQ)

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やけどについて

Q1. 台所で熱湯をかぶった

Q.4才の長男が台所で遊んでいるうちに、コンロにかかっていたやかんがひっくりかえり、右肩から熱湯をかぶってしまいました。

A.家庭で年じゅう起きる事故なので、まず応急処置についてご説明しましょう。

ものの本には、すぐにお湯をかぶった洋服をぬがせると書いてありますが、とっさにはなかなかできませんし、洋服を切れといってもそうもいかないものです。動転しているため、あわてて刃物など使うと、かえってよけいな傷をつけたりしてしまいます。といって、おろおろしている間に衣服にしみ込んだお湯のために、やけどがどんどん広がってしまいます。手っとり早い方法は、とにかくすぐに冷たい水をかけてしまうことです。これなら台所ならばすぐできるはずです。そのうえで、ゆっくりと衣服をぬがすなり、切るなりして取り除きます。やけどが浅いときは、多少赤みがかった程度ですが、お湯が熱かったり、また、長い時間熱湯をかぶった衣類に浸されていると、まもなく水ぶくれができてきます。もっと深いと、皮膚が白く変色して、水ぶくれができない場合もあります。

消毒剤など、よけいなものをぬる必要はありません。なにはともあれ、まずきれいな布でおおってお医者さんのところへ連れていってください。もちろん、消毒したガーゼや包帯があればそれを使って患部をおおいますが、普通の家庭には常備されていないでしょう。
その先の処置は、医師にまかせてください。

普通は、皮膚を刺激しないような消毒剤でやけどした部分をきれにし、その上を軟膏とガーゼでおおい、包帯をしてくれるはずです。やけどの範囲が狭い場合には、そのまま帰宅を許され、あとは数日おきに外来通院ということになります。台所でお湯をかぶった程度のやけどですと、それほど深くなく、また範囲も狭いので、1週間か10日、長くても2週間くらいで自然になおってゆきます。

範囲が広い場合には、安全をとって入院をすすめられるかもしれません。また不幸にしてやけどが深い場合には、入院後しばらくしてから植皮が必要であるといわれる場合もあります。

よく、自分の不注意だからといって、見るも気の毒なほどに自分を責めるかたもあります。それが人情かもしれません。しかし、子どもの場合、何度かけがや、やけどをしないで育つということは不可能です。あまり親の過失だと自分を責めると、かえって心理的に子どもにもよくない影響を及ぼす場合もあります。むしろ天災とあきらめて、その後の必要な処置を十分にされたほうがいいと思います。
最初の処置について説明しましょう。

1 昔は水をかけても意味ないし、またかえって感染の危険もあるのではないかと考えられていました、しかし最近の研究では、やけどをしてもしばらくは除々に進行して深くなってゆく、ということがわかってきました。したがって、この時期にすぐ冷やすことは、やけどの進行をくい止めることにもなります。また、やけどのときのヒリヒリした痛みも、冷やすと多少軽くなります。そしてなによりも、台所でやけどしたときのとっさの処置としては、水をかけるのがいちばん便利な方法です。

2 消毒には、なにか昔の赤チン(マーキュロ)のように色がついたり、しみる薬を使うと効果があるように考えがちです。しかし殺菌力の強い薬は、それだけ皮膚に対する障害も強いわけです。この場合も、薬の濫用は避けたほうが無難です。また感染を防ぐためには、新に外からバイ菌を持ち込まなければよいので、きれいな布かタオルで傷口をおおえば十分です。それ以上の消毒は、傷の状態に応じて医師が判断して行ないます。昔はよく渋柿をぬったり、カラシをぬったりしましたが、これは百害あって一利なしです。

3 範囲が狭いので医者に連れてゆくほどのこともないと思ったら、次のようにしてください。まず、やけどした部分を水でよく洗い流します。そして抗生物質の入った軟膏をぬって、ガーゼでおおいます。できればその上から、包帯で軽く圧迫しておいてください。最近では、ガーゼに軟膏をしみ込ませた便利な製品が数種類出ていますので、常備されておくとよいでしょう(註・・・ソフラチュール、フシジンインターチュールなど)。
この包帯をなるべくぬらさないようにしておけば、2〜3日で傷は自然にかわきます。できれば4〜5日してから包帯を取り、ガーゼをそっとはがします。いちばん内側のガーゼが傷口にくっついている場合にはそのままにしておき、また上から新しいガーゼをかぶせて、そのあとは2〜3日おきに包帯を交換します。
10日から2週間で新しい皮膚がはえてくると、いちばん内側のガーゼも自然にはがれてきます。もし途中で、傷口やガーゼがじゅくじゅくとしみてくるような場合は、やけどが深かったとか感染を起こしている可能性があるので、必ず医師の手当てを受けてください。

4 昔はよく、白いベタベタした軟膏でチンク油というのが使われました。これはあまり傷口にプラスにならず、むしろ中で化膿してウミをためてしまうことが多いので、私どもは絶対に使いません。幸いに最近ではほとんど見ることはなくなりましたが。

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