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治療に関わる方のために
介護

介護とは

介護を論ずるには介護保険の現状を知ることと、これまでの医療保険では対応しきれなくなった急激な高齢化と医療の高度化、それに伴う保険財政の逼迫の歴史を見る必要があります。
戦後の国民皆保険の旗印の下、国民健康保険の果たした役割は大きかったのですが、その間の医療費、中でも薬剤料、検査料等の上昇は急激でした。
又、老人福祉の意識の高まりと高度成長への流れの中で昭和58年老人保健法が施行され、当時原則として65歳以上の老人に対する負担ゼロの老人医療費の伸び率はその後予想を上回る伸びを示しました。平成11年の国民医療費は31兆円(3.7%の伸び)にいたり老人医療費はそのうち11兆円(占める比率36%、前年比8.4%の伸び)を示しました。

そして、医療施設(病院)に医療ではなく介護をも期待した長期入院(社会的入院)が多くなり、又、高齢化率の上昇により保険財政を圧迫するようになりました。そこで病院に期待する介護部分を家庭介護や社会的介護でできる制度(保険、及び施設)を作り上げることにより、医療費の削減と良質の介護を提供する施策が介護保険となりました。
その間、医療保険の改定の中で一般病棟と、療養型病棟に病院機能を分化して、一般病棟は出来高払いに、療養型病棟は検査、投薬、注射及び大部分の処置の費用を包括化(マルメ)にする、あるいは入院期間が長くなると入院基本料が減額される等の改定を積み重ねて社会的入院の減少へと政策誘導をしてきました。
その最たるものが、今回平成14年度の診療報酬改定に有る「90日を過ぎての入院に対して、病院の基本入院料を下げるばかりでなく、保険の適用範囲を狭めてその差額を患者から徴収できる」にまで厳しい改定に至った訳です。

そんな中で2年前の平成12年4月に介護保険が施行されました。

介護保険法(第1条)の目的を見ると以下の通りです。

高齢化に起因する疾病等による要介護者の増加に対し自立した日常生活を営むことができるよう
必要な保険医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき(40歳以上の国民で公平に負担をする)介護保険制度を設け
もって国民の保険医療の向上及び福祉の増進を図ること

介護保険施行後これを受けられるサービスと施設等で見ると以下の表の通りまとめられます。 

主として受けるサービス

施設

備考
医療、看護 一般病棟、病院、診療所  
医療、看護、介護 療養型病棟、病院、診療所  
医療、看護、介護 老人保健施設  
   看護、介護 特別養護老人ホーム  
   看護、介護、家事援助 在宅 往診

これにより、これまでの老人福祉、老人医療、老人保険の介護的部分が介護保険によりまかなわれる仕組みとなりました。

また、運営主体の市町村のパンフレットによると、介護サービスを総合的、一体的に受けられる民間事業者の参入による多様で効率的なサービスが提供され、受けられる介護サービスと保険料(本人1割負担)の関係がわかりやすい仕組みですと自画自賛していました。

スタートから2年近くなったこれまでの問題点をいくつかあげてみましょう。
2001年後半に介護ビジネスの将来性を喧伝するマスコミの記事がにぎわいましたが、中でも大手企業のN社、テレビコマーシャルで派手に宣伝していたC社等は記憶に新しいと思います。ニッセイ基礎研究所は当初200年の『介護ビジネスの市場規模』を8兆5000億円と発表しました。これは家族介護がすべて社会的介護に置き換わることを前提にした試算でしたが、同研究所は最近、企業が参入可能な介護保険市場は1兆6000億円と大幅に下方修正しています。もう一点の参入企業の誤算は訪問介護のサービス単価が1時間未満の家事援助1,530円、家事介護複合型2,780円、身体介護4,020円ですが、当初計画より家事援助サービスが多く平均サービス単価が低かったことによります。

両社とも赤字と業務縮小を余儀なくされています。

1割負担の利用料のために一部の利用者には従来の福祉制度より負担額が増大しています。  そのために低所得者の介護を削減しているのではないか、また利用率に地域差が有ることが指摘されています。
介護支援専門員(ケアマネジャー)がケアプラン作成と給付管理業務に忙殺され本来のケアマネジメントができていません。
要介護認定の妥当性、公平性が確立されていません。

要介護は要支援、要介護1、2、3、4、5の6段階になっており介護認定審査会により認定されると、要支援の61,500円から要介護の358,000円が支給限度額となります。生活障害の実態を示す指標の策定が難しいことは理解できますし、全員の納得を得る認定指数を確立することの難しさも理解できます。

いずれにしても試行錯誤中であり、これからの改善、改良が更に続くと考えられます。

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